五島つばき蒸溜所は、厚岸蒸溜所との共同開発による限定ジン「GOTOGIN peated Gin 〜厚岸のアロマ〜」を、2026年8月24日から数量限定で発売すると発表した。アルコール度数は47%、容量は495mlで、希望小売価格は税込11,000円。公式オンラインショップのほか、一部の百貨店や酒販店などでの取り扱いが案内されている。
今回の核となるのは、厚岸蒸溜所で造られた熟成前のモルトウイスキー、ニューポットの使用だ。さらに、厚岸の泥炭と、その泥炭で燻したピーテッドモルトを五島つばき蒸溜所でそれぞれ蒸溜し、個別の原酒として組み込んでいる。完成したウイスキーを加えて樽香を演出するのではなく、発酵や蒸溜によって生まれるモルト由来の香味と、ピートそのものが持つ土質的なニュアンスをジンの構成要素へ分解した点が興味深い。
ベースとなる香りには、定番の「GOTOGIN the origin」にも用いられるジュニパーベリー、福江島産の椿の実、柚子、ヤマモモなど、12種類のボタニカル原酒を採用。そこへ厚岸由来の3種類を加え、計15種類の原酒をブレンドしている。柑橘や果実の明るさ、椿の実を含む五島らしい柔らかな香りに、モルトの甘さ、発酵由来の複雑さ、ピートの煙香を重ねる設計とみられる。
ピーテッドジンでは煙香が前面に出すぎると、ジュニパーや柑橘の輪郭を覆ってしまいやすい。そのため本品の焦点は、単純なスモーキーさの強弱よりも、五島側の爽やかでフルーティーな香りと厚岸側のモルティーな厚みが、どの位置で釣り合っているかにあるだろう。47%という比較的高い度数は、多数の香味原酒を支え、ストレートや少量加水だけでなく、ソーダで割った際にも香りの層を残すための選択と考えられる。
厚岸蒸溜所は、冷涼で湿潤な北海道東部の環境とピートを生かし、スコッチの伝統を踏まえたウイスキー造りを進めてきた。一方、五島つばき蒸溜所は、島の植物や風景を蒸留酒の香りとして表すことをブランドの軸に置く。両者の共通点は、地域名をラベル上の物語として扱うだけでなく、土地に由来する素材を実際の香味設計へ落とし込もうとしている点にある。
今回の取り組みは、ウイスキー蒸溜所との名称貸しに近いコラボレーションではない。ニューポット、ピーテッドモルト、泥炭という製造段階の異なる素材を使い分け、約2年をかけて一つのジンへまとめている。ジャパニーズウイスキーへの関心をクラフトジンへつなぐ商品であると同時に、熟成前の原酒や製造副産物ではない蒸溜素材の価値を、別カテゴリーで提示する試みともいえる。
数量限定であることに加え、厚岸ウイスキーの「二十四節気シリーズ」も担当する尾谷憲一氏がラベルをデザインしており、厚岸の既存ファンやコレクターからも注目を集めそうだ。ただし、熟成年数や樽構成を評価軸とするウイスキーとは性格が異なり、本品の本質は飲用時に現れるボタニカル、モルト、ピートの調和にある。希少性だけでなく、二つの蒸溜所が地域性をどのように一杯の香りへ翻訳したのかを確かめたい一本だ。
発売日、価格、取扱店、購入制限、在庫状況は変更される可能性がある。購入を検討する場合は、五島つばき蒸溜所の公式発表または各販売店のページで最新情報を確認してほしい。
参考情報:株式会社五島つばき蒸溜所「五島つばき蒸溜所 × 厚岸蒸溜所、約2年をかけて共同開発した限定コラボ商品『GOTOGIN peated Gin 〜厚岸のアロマ〜』を発売」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000109057.html