グレンモーレンジィは、30年熟成のシングルモルト「グレンモーレンジィ 30年」を2026年8月19日から数量限定で発売すると発表した。定番ラインナップでは最長熟成となる位置づけで、長い熟成期間そのものだけでなく、原酒構成の中心に赤ワイン樽熟成原酒を据えた点が大きな特徴となる。
構成の約3分の2には、希少なブルゴーニュ産赤ワイン樽で15年以上熟成させた原酒を使用し、バーボン樽熟成原酒と組み合わせるという。グレンモーレンジィは、背の高いポットスチルが生む軽やかでフルーティーな酒質と、樽使いによる香味の広がりを持ち味としてきたブランドだ。30年という熟成では、繊細な蒸留所個性を樽香に埋もれさせずに残すことが難しい。そのため、赤ワイン樽の濃密さを単なるアクセントではなく全体の骨格に置きながら、バーボン樽由来の甘さや明るい果実味で輪郭を整える設計には、同ブランドの熟成技術が表れている。
公表された香味のイメージでは、チェリー、ラズベリー、ブラックベリーといった赤系・黒系果実に、熟した桃、アプリコット、砂糖漬けのオレンジが続く。そこにチョコレート、ハニカム、タフィーアップル、レザー、ユーカリ、クミン、クローブなどが重なるという。赤ワイン樽は熟成が長くなるほどタンニンの扱いが重要になるが、本作では絹のような質感としてまとめることが目指されているようだ。華やかなトップノートから熟成由来の深み、さらに穏やかなスパイスを伴う余韻へと展開するなら、軽快さを残したまま複雑さを積み上げるグレンモーレンジィの方向性を、長熟レンジで明確に示す一本になりそうだ。
近年の長期熟成品は、年数の大きさだけで価値を語るよりも、どの樽をどの比率で使い、蒸溜所らしさをどう残したかが選択の基準になりつつある。その点で本作は、ブルゴーニュ産赤ワイン樽を前面に出しながらも、ワイン樽フィニッシュの珍しさだけに頼らず、30年熟成に耐えた原酒との調和を打ち出している。飲み手にとってはゆっくり香りの変化を追うストレート向きの一本であり、コレクターにとっては定番最長熟成という節目と、同ブランドの樽熟成哲学を象徴するリリースとして注目されるだろう。
発売日、価格、取扱店、在庫状況は変動する可能性があるため、購入を検討する際はグレンモーレンジィおよび販売店の公式発表・販売ページで最新情報を確認したい。